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「ユネスコエコパーク」とは、世界遺産で知られるユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が1976年に始めた認定制度です。正式名称は「生物圏保存地域」といいます。豊かな生態系や多様な生物を保全し、自然に学ぶとともに、文化的にも経済・社会的にも持続可能な発展を目指している地域づくりのモデルとして高く評価されたエリアがユネスコエコパークに登録されます。自然の価値だけでなく、自然を利用する地域の住民や研究者や地方公共団体などの保全活動も登録時には重視されています。現在120ヵ国の669地域が登録地として認められています。
今回、登録が決定した「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」は大分県と宮崎県にまたがっており、宮崎県では延岡市、日之影町、高千穂町の1市2町が含まれています。急峻な岩峰や数々の渓谷などが独特の景観美と、原生的な自然が豊かで、希少動植物の宝庫として知られています。祖母・傾・大崩山系周辺の人々は、昔からこの豊かな自然を敬い、自然の恵みを大切に守りながら暮らしています。この祖母・傾・大崩山系に、日之影町の見立渓谷も入っています。
見立渓谷は日之影川上流部に全長24㎞に渡り広がる渓谷です。珍しい形の大きな岩や川底までしっかり見える清流の地として知られています。川沿いには日本の棚田100選に選ばれている石垣の村や、国の登録有形文化財の英国館があります。
また、森の持つ癒し効果を心身の健康づくりに生かす「森林セラピー」ができる場所としても知られていて、初心者でも散歩感覚で歩ける「見立遊歩道コース」「石垣の村 トロッコ道」など6つのウォーキングコースがあります。
紅葉の名所で11月に見ごろを迎え、モミジの深紅と静かに流れる水との対比が美しいのが見立遊歩道コースの特徴です。モズやヒヨドリ、ヤマセミ、カワセミなどの野鳥のさえずり、川のせせらぎを聞きながら、豊かに自生する草や花、木々を見ることもできます。なかでも植生は豊かで、秋になるとオレンジ色に熟す「イイギリ」、ツルツルの木肌の「ヒメシャラ」や、岩から滴る水滴のところに自生するさまざまなコケ類など自然の生命力と美しさに驚きながらのウォーキングが楽しめます。
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